Adobe Flashが2020年末にサポート終了へ。Flex・Airはどうなる?
Adobe Flashが2020年末にサポート終了すると、2017年7月25日に発表したニュースが話題となっています。
・Flash & The Future of Interactive Content | Adobe
Adobe 社の発表では、「Flash Player」の配布やアップデートが2020年末以降に中止になるとのこと。歴史をたどれば、1996年に「Macromedia Flash」として誕生したコンテンツ技術ですが、ここ最近は頻繁にゼロデイ攻撃に利用されることから、セキュリティリスクが高いとの見方が一般化していました。
あの 米 Apple の共同創業者である故スティーブ・ジョブス氏が、Flash は古い技術だと切り捨て、iOS がサポートしないことを決めたのが2010年でしたね。それから10年後の2020年にサポート終了となれば、24年もの生涯をまっとうすることになります。
思った以上に長生きしたという見方もあれば、EOL が残念という見方もあるでしょう。個人的には「なんだかんだでお世話になりました、ホントおつかれさまでした。」と言いたいところです。
Adobe社も、HTML5、WebGL、WebAssembly のようなオープン規格がこの数年間で成熟したと発表しており、Flashが採用されなくなったというのもサポート終了を後押ししたのかもしれません。今後は Apple、Microsoft、Google、Facebook、Mozilla などとの共同作業により、Flash 廃止へ向けての動きを進めていくようです。
とはいえ気になるのは、業務システムなどでリッチクライアント技術として使われている Flex/Air はどうなるんだというところですね。
現時点で調査した結果を掲載しておきます。
Adole Flexはどうなる?
Flash コンテンツ および Flex を使用するエンタープライズアプリケーションを使用している場合、急いで移行を開始すべきでしょう。
これで、Flash Playerが2020年12月31日に終了し、そのすぐ後の2021年10月に「Microsoft Silverlight」のサポートが終了することになった。Flashコンテンツや、「Flex」を使用するエンタープライズアプリケーションをまだ使用している企業は、急いだ方がよい。時間は確実に押し迫っている。
これらの見解はこちらのサイトに掲載されていましたが、元は Forrester のアナリストが発信しているようです。
・アドビ、「Flash」を2020年に終了へ - CNET Japan
これには、私も同意見です。
Flex は Flash の一部であり、RIA 開発向けのコンポーネントを備えたフレームワークです。「Adobe Flash Builder 4」からは Flex という名称がなくなり、Flex フレームワークを使った Flash アプリケーションと明確化されています。
以上のことから、すぐにでも移行を検討しないと、Flash サポート終了と共に、身動き取れなくなってしまいます。
Adobe AIRはどうなる?
では、同じテクノロジーを持つ Adobe AIR はどうなるのでしょうか?
安心してください。
こちらはサポートを継続すると、公式フォーラムで宣言されています。近々ロードマップも更新されるようです。
・AIR Roadmap Update |Adobe Community
Adobe AIR は、RIA及び、デスクトップ・タブレット・スマホなどで動作するアプリケーションを作るための、複数の OS に対応したランタイムライブラリです。
スマホゲームなど Adobe AIR で作られていることが多いですからね。個人的にはサポート継続されてよかったと思っています。
参考サイト
まとめ
私のクライアントには、Adobe Flex/AIR を使ったエンタープライズアプリケーションを広く利用しているところがあります。
Adobe Flex/AIR は、当時としては画期的な RIA 技術を手軽に実装でき、そして全世界で9割を超える PC にインストールされているともされていた Flash のランタイムを活用できる強力なプラットフォームの1つでした。
レイアウトを記述する MXML と、ロジックを記述する ActionScript を併用し、リッチな UI を持つアプリケーションの開発を楽しんだものです。
そう考えると、かなり深く Flash と関わってきたなーと思います。
時代とともにオープン標準技術が成熟し、Flash の役目も終わったというところでしょうか。ちょっとサビシイ感じもしますね。
皆さんはこのニュース、どう感じましたか?
おつかれさまでした。