ラピッドサイトからエックスサーバーへ移行する方法
ラピッドサイト共用サーバーからエックスサーバーへWebサイト、メールを移行する方法です。
当社のお客様よりラピッドサイトからエックスサーバーへのサーバー移行の依頼がありました。実施した手順を備忘録として書いておきます。
ここでは ラピッドサイトからエックスサーバーへ移行する方法 を紹介します。
目次
サーバー移行の経緯
移行を計画された経緯としては、主に料金にあります。
ラピッドサイトでは、年額81,950円の支払いがありました。
内訳はこのようになっています。
- co.jpドメイン:7,700円
- 共用サーバー:33,000円
- サーチャージ:3,300円
- グローバルサインのSSL:37,950円
Webサイトとメールだけの運用にしては、なかなかの金額だなーと。
これをエックスサーバーへドメイン移管・サーバー移行すると年額17,336円になります。
- co.jpドメイン:4,136
- スタンダードプラン:13,200
- 独自SSL:無料
年間64,614円の削減になります。当社の提案が通り、移行する計画が実現しました。
金額は記事執筆時点のものとなります。
事前準備
下記の情報は必ず必要です。準備しておきましょう。
- ラピッドサイトのアカウントマネージャーへのログイン情報
- ラピッドサイトのコントロールパネルへのログイン情報
- ラピッドサイトのFTP接続のログイン情報
エックスサーバーを契約
エックスサーバーを契約します。
下記のリンクよりエックスサーバー公式サイトへ移動し、契約をします。サーバープランに悩んだら、とりあえずスタンダードプランでOKです。
Webサイト関連の移行
Webサイトの移行手順です。
ドメイン設定
エックスサーバーへドメインの追加をおこないます。
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_domain_setting.php
WordPressの場合
WordPressで作られたWebサイトを移行するには、下記を参考にしてください。
ロリポップからエックスサーバーへの移行手順ですが、やることは同じです。
静的ページの場合
ここからはCMSを使っていないWebサイトの移行方法を説明します。
FTPツールでラピッドサイトへログイン
ルート以下のフォルダやファイルをすべてダウンロードして保管しましょう。
PHPファイルの文字コードを変更する
Webサイトからのお問い合わせには、phpが使われていました。
ラピッドサイトではphpファイルに、EUCの文字コードが利用されていました。エックスサーバーでは、UTF-8になるのでファイルの文字コードを変更します。
変更しないとブラウザ表示で文字化けします。
絶対パスを相対パスに変更する
「https://ssl.ドメイン名」で指定されたリンクなどがあったため、相対パスに変更しました。
理由としては、移行後の「ssl.」の部分をなくした「https://ドメイン名」に統一するためです。
「.htaccess」の編集
隠しファイルである「.htaccess」を開いて、内容を確認します。必要ない記述はコメントしておきましょう。今回は「https://ssl.ドメイン名」への転送記述があったのでコメントしました。
FTPツールでエックスサーバーへログイン
エックスサーバー契約後のメールに書いてある、FTP接続情報を使って、エックスサーバーへFTP接続し、「public_html」というフォルダへ移動します。
デフォルトで「.htaccess」「.user.ini」「default_page.png」「index.html」の4つのファイルが置いてあるので、必要に応じてバックアップしておくなりして削除します。
Webサイトのフォルダやファイルをすべてアップロードしましょう。
動作確認URLを設定する
ネームサーバーの切替前にWebサイトの内容を確認できる、動作確認URLを設定します。
https://support.xserver.ne.jp/manual/man_domain_checkproxy.php
これを使って、社内・社外からの動作確認しましょう。表示やリンク、お問い合わせメールアドレスにメールが届くかなど、最終チェックを実施します。
SSLを設定する
ラピッドサイトで運用中であっても、エックスサーバー側で無料独自SSLを事前に設定することができます。
トークンファイルをダウンロードし、ラピッドサイトへFTPにて設定すればOKです。
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_server_ssl.php
サブドメインを設定する
ラピッドサイトで独自SSLの契約をしていると、「https://ssl.ドメイン名」というURLになっています。これはつまり「ssl」というサブドメインが設定されているのと同じことです。
エックスサーバー側で「ssl」というサブドメインを作り、SSLを設定しておきましょう。これを実施しないと、DNS変更後に「https://ssl.ドメイン名」へアクセスすると、不正なアクセスとなりブラウザが「NET:ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID」のエラーを表示されるので注意が必要です。
エックスサーバーの「public_html」内に「ssl」というフォルダが出来たら、下記のindex.htmlを作って配置します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>サイトタイトル</title>
<meta name="description" content="SSL転送用">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
</head>
<body>
<p>このURLは無効になりました。1秒後に転送されます。</p>
<p>自動的に転送されない場合は、下記のリンクをクリックして移動して下さい。</p>
<p>・<a href="https://ドメイン名/" title="サイト名" rel="nofollow">サイト名</a></p>
<script>
setTimeout("redirect()", 5);
function redirect(){
location.href='https://ドメイン名/';
}
</script>
</body>
</html>
これで「https://ssl.ドメイン名」というURLにアクセスされたら「https://ドメイン名」というURLに転送されます。
「.htaccess」を設定してもよいですが、DNS切り替わりチェックのためにJavascriptを用いることにしました。
「.htaccess」にてURLを統一する
「.htaccess」にURLを統一する記述をおこないます。
wwwなしのhttpsのURLに統一にする方法と、wwwありのhttpsのURLに統一にする方法があります。
メール関連の移行
ここからはメールの移行に関する手順です。
メールアカウントを移行する
登録されているメールアドレスとパスワードを抽出し、エックスサーバーへ登録します。
エックスサーバーでは一括登録ができるので便利です。
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_mail_bulkadd.php
ヴァーチャルメールアドレスを移行する
ヴァーチャルメールアドレスとは、メールアドレスに着信したメールを、メールボックスに入れずに他のメールアドレスに中継する機能のことです。つまりメールボックスなしの転送用アドレスってわけですね。
エックスサーバーでは、メールアドレス同様にアカウントを一括登録します。その後、転送設定をすれば同様の機能となります。
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_mail_transfer.php
迷惑メールフィルターを移行する
迷惑メールリストがあれば、エックスサーバーのブラックリストへ設定します。
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_mail_spam_setting.php
各クライアントにてメールソフトを設定する
WindowsメールやOutlookなど、様々なメールソフトがありますが、事前に各クライアントでエックスサーバーからメール送受信する設定をしておきます。
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_mail_setting.php
DNS変更中は、新旧どちらへメールが届くかわかりません。古い設定は消さずに、新しいものを追加してください。
新サーバーへ移行が確認出来たら旧設定を削除しましょう。遅くとも、ラピッドサイトのサーバー解約前までに削除するようにしておきましょう。
Webメールをバックアップする
Webメールのみ利用されている場合、必要なメールはどこかにバックアップしておきましょう。
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_tool_mail.php
利用者には、エックスサーバーのWebメールURLを案内します。
DNS(ネームサーバー)変更
エックスサーバーにて、Webサイト・メールの移行が確認出来たら、ラピッドサイトのアカウントマネージャーにてDNS変更をおこないます。
エックスサーバーのDNSを設定すればOKです。
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_domain_namesever_setting.php
実施は土日や夜間など、利用の少ない日時でおこなうことを強くおすすめします。
申し込み後、1時間~数時間(最大24時間)で、DNS設定が切り替わります。進捗状況は、ラピッドサイトのアカウントマネージャーにて確認できます。
新サーバーへのアクセスを確認する
新サーバーへのWeb・メールのアクセスを確認しましょう。
新しい情報がインターネット上に広まり設定が反映されるまで、ある程度の期間(一般的に3日間程度)がかかります。この期間をDNS浸透期間、プロパゲーション期間など呼びます。
DNS情報は一斉に切り替わるのではなく、徐々にインターネット上に広まるため、接続する経路によって新旧どちらの情報が参照されるかわかりません。
なので端末によっては旧サーバーへ接続されることもありますので、旧サーバーの解約手続きは確実に切り替わってからにしましょう。
まとめ
ラピッドサイト共用サーバーからエックスサーバーへWebサイト、メールを移行する方法を紹介しました。
DNS変更後、なかなか新サーバーへ切り替わらない端末や拠点などがあり、なかなか苦労しました。
今回のお客様はドメインもラピッドサイトからの移管を計画しています。そちらは別の機会に書きたいと思います。
また、自分で切り替えが不安という方は、当社で対応可能ですのでご相談ください。
おつかれさまでした。
追記:ドメイン移管
予定通り、ドメインもラピッドサイトからXserverドメインへ移管しました。
「ラピッドサイトでドメイン解約してXserverドメインへ移管する方法」にて紹介していますので、興味のある方は読んでみてください。