IE8 IE9 IE10がサポート終了 Windows
Windows搭載のWebブラウザであるInternet ExplorerのIE8 IE9 IE10がサポート終了します。
2016/01/13より Microsoft は Internet Explorer(IE) のサポートポリシーを変更し、各OSで動作する最新版以外のIEのサポートを終了しました。
これまでは Windows OS ごとに複数のバージョンの IE をサポートしてきた MS さんですが、今後は各 OS で動作する最新バージョンのみがサポート対象となります。
各OSのサポート
各OSのサポートは以下のとおり。
Windows OS | IE のバージョン |
---|---|
Windows Vista SP2 | Internet Explorer 9 |
Windows Server 2008 SP2 | Internet Explorer 9 |
Windows 7 SP1 | Internet Explorer 11 |
Windows Server 2008 R2 SP1 | Internet Explorer 11 |
Windows 8.1 Update | Internet Explorer 11 |
Windows Server 2012 | Internet Explorer 10 |
Windows Server 2012 R2 | Internet Explorer 11 |
Windows 8 | Windows 8.1 へアップグレートが必要 |
負の遺産と言われ続けた過去のIE
業界内では「過去の資産の継承」がようやくサポート終了と言われるほど・・・・。
特に「IE8」のサポート終了は 特別な意味を持つと思います。
2009年3月にリリースされた当初は「IE7」より数倍の速さで Javascript を動作させたことや、Windows XP から Windows 7 への橋渡し的なブラウザとして活躍したことが記憶にあります。W3C 等の Web 標準との互換性を高めることを目的とし、非互換問題の解決に向けて開発された経緯もあり、開発者から嫌われ続けた(今も?)「IE6」からの「負の遺産」脱却のために作られた一つの区切りをつけるブラウザだったのではないでしょうか。「IE8標準モード」、「互換モード」という2つの動作モードを用意するという苦肉の策も今となっては懐かしいものですね。
当時、私も開発者として各 IE の対応にはとても苦労しました。きちんと意図通りのレンダリングが再現されるよう独自の実装を施したり、ひたすら検証するなどのテスト工程をおこなってきました。
意図したとおりの実装ができないときは MS さんを恨みましたよ、ホント^^;
でも今は、なんだかさみしさもありますね。
世間では「Microsoft の犯した罪は重い」とか「本来は Microsoft が Web 標準を作る立場であるべきだった」などと批判されるほど業界内ではアンチ IE ユーザーが多く存在していました。それは今も変わらずであると思います。
一方、Windows XP が広く長く利用されたことで企業が多くの Web サイトの構築に投資をおこないました。私どもはその都度、各 IE に合わせて開発をおこなってきたわけですが、このおかげで仕事も多く発生しましたし、W3C 等の Web 標準というものの重要性を強く感じた時期でもありました。
仕事といった部分では、現在も最新ブラウザへの対応を多く依頼されます。言い方は悪いですが、人んちのプラットフォームの乗った仕組みであれば、これは仕方がないことだと思います。ネットの社会が崩壊でもしない限り、永遠に続いていくことでしょう。
まずは「古いブラウザさんおつかれさま」と言いたいですね^^
個人的な意見ですので、批判のある方はご容赦くださいm(_ _)m
エンタープライズモード
社内システムで「IE8」の機能に依存したサイトを構築していた場合「IE11」では利用できない可能性もあります。しかし、幸いにも IE11 の救済策として導入された「エンタープライズモード」があります。IE8 の動作をエミュレートして、古いバージョンの IE 向けに記述された Web アプリとの互換性を保つ機能です。IE11 の大きな特徴の1つですが、これをうまく利用し、モダンな Web ブラウザへの切り替えまで時間が稼げると思います。
具体的には X-UA-Compatible という制御パラメータの利用です。以下のような meta タグを追記します。
<meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=7,IE=8">
「IE8」では X-UA-Compatible に複数のドキュメントモードを指定した場合、最初のひとつ目が有効になります。つまり、エンタープライズ モードでは「IE7 標準モード」になります。
IE9 以降は X-UA-Compatible に複数のドキュメントモードを指定すると、その中の最新モードが有効になります。そのため、エンタープライズ モードが有効でなければ、上記の例では「IE8 標準モード」が有効になります。
ただし、これらの対応はいつまでサポートされるかわかりません。最善策はブラウザに合わせて作りを変えることだと思います。時間稼ぎだと思っていた方がいいでしょう。
高速かつ最適なモダンブラウザへ変更の時
昨今、インターネットを通じたセキュリティの脅威は、日々高度化しています。古いブラウザを使い続けることは個人情報の漏えいやビジネス情報の流出のリスクを負うことになります。悪意のある Web サイトやソフトウェアにより、これらの危険を回避するために、最新のブラウザにアップグレートすることを企業はもちろん、個人の方にもおすすめします。
多くの方が最新のモダンなブラウザを使うことは、セキュリティ向上やブラウジング高速化など、ユーザーにとって多くのメリットがあります。また、多くの方が最新のモダンなブラウザを使うことで、Web サイト・Web アプリの標準化による互換性向上など、開発者にも多くのメリットがあります。
皆さんのインターネットライフが安全で快適であることを節に願います♪
参考サイト
おつかれさまでした。